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Print of Things サステナブルレポート|708,174通のDMから生まれた「やさしい循環」

作成者: goof|Jul 4, 2025 2:46:21 AM

Print of Things サステナブルレポート|708,174通のDMから生まれた「やさしい循環」 

対象期間:2024年5月〜2025年5月 

 

Print of Things(以下、PoT)では、パーソナライズされたDMの発行を通じて、紙資源の適正利用と環境回復の両立を目指し、国際的な植林サービスである「PrintReleaf」を活用し、DMに使用された紙の量に応じて、必要とされている地域へ再植林を行っています。 

 

 

2024年5月から2025年5月の1年間で、PoTを通じて発送されたDMは累計708,174通となり、その紙使用量に応じて、タンザニアとマレーシアにて合計66.95本分の植林が実現しました。

これらの取り組みは、顧客との深いつながりを築くと同時に、土壌や気候、生態系に配慮した持続的な森林回復を促進するものです。単独の企業では実現が難しい規模と継続性を、PoTをご利用いただいている皆さまとともに実現できたことは、環境保全と事業活動の両立において、大変意義のある成果だと考えております。

 

 

【植林地の選定 】

グーフでは、「サステナブル」という概念を、環境保護にとどまらず、その先にある人々の暮らしの豊かさを育むものでありたいと考えています。 今回選定したタンザニアおよびマレーシアのプロジェクトは、いずれも環境課題と社会課題が複雑に絡み合う地域において、森林の再生を起点に、人々が自らの力で未来を築くための「自立」を支えている点に深い理解と共感を覚えました。 自然環境の回復にとどまらず、教育機会の創出や雇用の確保といった“人への投資”が並行して進められており、「植えること」が単なる行為ではなく、地域とその未来をともに育む循環の出発点になると信じています。 

 

タンザニア :

キリマンジャロ山の氷河は、気候変動の影響によりすでに80%が消失しているとされており、農業や漁業に依存する地域社会に大きな影響を及ぼしています。約300万人がこの地域に暮らしており、特に女性や子どもたちは不平等な状況に置かれています。さらに、FAOの報告によれば、薪の利用や農地転用のために、毎年0.3%の森林が失われており、これが土壌の劣化や水源の枯渇を引き起こす深刻な悪循環を招いています(*参考:FAO 2015 再植林対話)。本プロジェクトでは、地域の人々に持続可能な農業研修を提供しながら、植林活動を通じて生態系の回復を図り、生活の安定と地域の自立支援を進めています。 

 

マレーシア :

マレーシアでは、違法伐採や森林火災によって荒廃したエリアに対し、地域の苗木農場で育てた在来種の耐性ある木々を植える活動が行われています。このプロジェクトでは、性別を問わず15名以上の人々が雇用されており、公平な賃金と持続可能な働き方が保証されています。今後はスキルアップ支援や新たな雇用創出を通じ、地域社会の経済基盤強化にも貢献していきます。 

 

 

【紙の現状】

 世界の紙消費量は年間約4億トンにのぼり、推定で106億本の木が伐採されているといわれています。日本国内でも年間約2,000万トンの紙が使用され、約5.3億本もの木が失われている可能性があります(出典:PRPC統計資料/PrintReleaf基準による推定)。 また、印刷物のライフサイクル全体のうち、50〜70%のCO₂排出が紙の製造段階に集中しているとも報告されており、紙を取り扱う私たちには、こうした現実に真摯に向き合う責任があると考えています。 

 

【今後の展望】 

PoTでは、「適時・適量」という考え方を大切にし、過剰な印刷を抑えると同時に、パーソナライズされたプリントメディアによって、より効果的なコミュニケーションを実現しています。 しかし、紙は物質メディアである以上、環境負荷を完全にゼロにすることはできません。 だからこそグーフは、皆さまのメッセージが安心かつ適切なかたちで届けられるよう、環境へのインパクトを「排出」から「回復」へとつなげる循環の仕組みを整備し、持続可能な社会の構築に向けた一助を担ってまいります。また、印刷を「消費されるもの」から「循環するメディア」へと進化させることを目指し、これからも皆さまとともに、紙の課題に向き合い、“今できること”を着実に実践してまいります。

 

 最後に、「適時・適量」の考え方にご共感・ご理解をいただき、量を重視した配布ではなく、パーソナライズされた印刷物による“コミュニケーション価値の再定義”に取り組んでくださっているPoTご利用の皆さまの想いと行動に、心より深く感謝申し上げます。