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元記事発行日: 2025年12月31日、 最終更新日: 2025年12月31日
AI奮闘記:年始の一通ができるまで
「この馬の顔はなんだ(笑)」
「なんかすごいデザインだな、、、笑」
そして差出人を見て、
「グーフか。」
「また変なことしてるな(笑)」
…と思われた方も、いらっしゃったかもしれません。
新年あけましておめでとうございます。
砕けたデザインでのご挨拶、失礼いたしました。
新年早々、この年賀状を見て笑っていただけたり、「バカだな〜」と思っていただけたなら本望です。
ただ、今回の年賀状はただの「ヘンテコ」ではありません。
ここには、グーフ白井の “AI奮闘記” が詰まっています。
ぜひご笑読ください。
その過程や考えたことを「AI奮闘記」としてブログにまとめています!
ぜひご笑読ください。
どんな答えが返ってくる!?
タイトルにある通り、今回の年賀状は AIで制作 しました。
最初は「AIでやったら面白そう!」とワクワクしていました
……が、想像以上に難しく、プロンプト作成の段階からすでにAIに助けてもらうことになります。
最初に入れたプロンプトは、こんな感じです。
【プロンプト】
📌以下の内容を踏まえて、100文字程度の年賀状の挨拶文にまとめてください。
■トーン
・「積み重ねた日々が確かな力へ変わった一年」を軸にする
・30年越しの準備が整い、いよいよ飛躍の時を迎えた感覚
・Love & Passion を内包する
■2025年に実際に起きたこと
・年明けから週4〜5日、片道約2時間をかけてCAMPUSに通い、掃除/梱包/出荷準備に向き合う日々が続いた。想像していた仕事とのギャップやコミュニケーション不足から、現場の空気が重くなる時期もあった
・新しい仲間が加わる中で、文化やコミュニケーションが少しずつ変化し、CAMPUSでの行動は“やらされる作業”から“自分ごと”へと変わっていった
・夏、案件が急増し準備不足やトラブルが重なり惨敗。印刷物は必要なときに届けてこそ意味を持つ“なまもの”だと、身体で理解する出来事となった
・悔しさを共有し、「どう改善し、次を超えるか」を話し合えるチームへと変化。事故を防ぐのは技術だけでなく、仕組みと習慣だと学んだ。
・今では当時越えられなかった壁を越え、「もっと良くしたい」「何が足りないのか」「どこにリスクがあるのか」を理解し、動けるようになり、確かな成長を感じている。
■2025年はどんな意味のある年だったか
自分たちの手でCAMPUSを動かし、悔しさと成長を往復しながら、
印刷のNew Normalに向けた“土台”を築いた一年
■NEXT(2026年に向けて)
体験・知識・データを事業価値へ変え、テクノロジーの力で
サステナブルで豊かな社会の実現へ進んでいく
かなり欲張りな内容です。
これを 100文字の年賀状 にまとめて、という無茶振り。
どんな答えが返ってくるか楽しみです😁
【結果】
積み重ねてきた日々についに光が射す役者も舞台も揃った
2026年、グーフは迷いなく一歩を力強く蹴り出し、
長く描いてきた未来へ、大きく跳ね上がります
AI的には高評価。「個性的でインパクトがある」とのこと。
しかしBOSSたちの反応は真逆でした
-
「スローガンっぽい」
-
「年賀状としての日本的な美しさが少ない」
確かに、年賀状において重要なトーンやマナーが欠けてしまっていました。
方向修正:「熱さ」だけじゃなく、感謝と関係性を入れる
【プロンンプト】
スローガンだけになってしまっているので、熱い思いを残しながらも相手への感謝、そしてこれからの繋がりも伝わるようにしてください。
キーワード:協調/関係を編み続ける
すると、ぐっとビジネストーンに寄って整う。
……が、整いすぎて、グーフらしさが消えた。
ChatGPTだけでなく、Geminiも使いながら、
生成 → 読む → 首をかしげる → また生成。
「このニュアンス、どう伝えればいいんだ?」
苦しんでいるうちに、なぜかだんだん楽しくなってきました(笑)
ついに着地?
最終的に、たどり着いたのがこちらです。
「旧年中はひとかたならぬご支援を賜り、誠にありがとうございました。
皆さまとのご縁に励まされながら、挑戦と学びを積み重ね、その一つひとつが確かな力となった一年でした。
迎える新しい年は、育ててきた想いに光が射し、ともに描く未来へ、力強く進んでいけたらと思っております。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。」
少し長いですが、
「年賀状としての丁寧さ」と「グーフの熱量」を、両立できた感触がありました。
…とはいえ、ここまで来るのに4日かかりました。
AIのそもそもの目的を考えると、なかなかの奮闘です、、、、。
デザイン編:テキストに合うデザインを頼んだら。。。
テキストが固まったので、AIにこう頼みました。
【プロンンプト】
このテキストに合う年賀状デザインを生成して
そして一発目。
……馬がいない。
「丙午」とあれだけ伝えたのに。
Adobeの生成AI、Geminiも試しました。
個人的には、Geminiのあたり率は高め。
ただし縦書きやサイズを指定しないと、年賀状サイズを超えた提案が返ってくるのも“AIあるある”。
ひたすらプロンプト調整→生成を繰り返し、できた案がこちら。
【プロンンプト】
年賀状の意味と、日本的な良さ、美しさを反映したデザインを作成して
・大事にしたいキーワード;繋がり、感謝、これからの皆さんの幸せ
・日本を象徴する自然を入れてまとめて
・馬は大きくしない、顔の表情もいらない、駆けている姿は欲しい。
「よし、あとは選ぶだけ」
まさかの振り出し??
BOSSの一言。
「なんか、日本というより中国っぽいよね」
……全員、納得。
AIは中国と日本を象徴するデザインの違いを正しく理解できていないのかもしれない。。。(私も含めて)
それはさておき。
いくらAI施策だからと言って、中途半端に真面目な年賀状を送るのは少し浅はか。
かといって王道はもうやりきった。
だったら、振り切ろう。
年賀状の方向性を、一気に転換しました。
馬を「グーフィー」にする
馬を“グーフを表すキャラクター風”にして、和でまとめる。
そう決めて、プロンプトにこう足しました。
【プロンンプト】
「少しグーフィー感を出したいので、馬だけキャラクターチックにしてください」
……が、これが思った以上に難しい。
細かい指示を入れるほど、全体が崩れる。
「売ってそう」「中途半端」な案の連続。
ディズニー風、クレヨンしんちゃん風……も試し、
最終的に「これだ」と思えたのが、あの馬です。
ニヤっと笑って、爽快に駆けていくあの表情。
今のグーフの空気に、妙にしっくりきました。
背景は鶴、亀、富士山、朝日、桜、梅。
おめでたいもの、全部盛り(笑)
AIは単発では答えられても、
文化・季節・文脈・ビジネスマナーを同時に理解するのは、まだ難しいのかもしれません。
「AIらしくて良いのか?
でも、年賀状というビジネスマナーが求められるメディアで、これはアリなのか?」
悩んで、リーダー陣を呼んでMTG。
結果、最初に出た反応は――爆笑でした。
「受け取った方も笑ってくれたら、万々歳」
そうみんなで腹を括り、このデザインに決定しました。
もちろんこのデザインを採用するからにはこの面白さが伝わるテキストに。
ということで、
再調整を試みましたが、デザインのニュアンスをAIに言葉で渡すのはやはり難しい。
結果として、今年の年賀状の挨拶文はBOSS案のメッセージ です。
少し悔しさは残りつつも、レイアウトや細かな調整を重ね、
AI:人=7:3 くらいのバランスで、今年の年賀状は完成しました。
今回の施策を通して
AI=効率化のためのツール、という見方は少し変わりました。
AIは、「何を伝えたいのか」「なぜそれを伝えたいのか」を、人が言葉にしなければ動きません。
でも一度渡せば、その目的をどう達成するかを、いろんな視点から提案してくれる存在 でもありました。
コミュニケーションにAIを使う=気持ちが入っていない、少し冷たい
そんなイメージはなくなり、
おかげで、自分一人では気づけなかった違和感や、新しい発見にも出会えました。
一方で、“Garbage In, Garbage Out”。
入力が曖昧なら、出力も曖昧。
今回得られたのは、効率ではなく、自分の言葉と向き合う時間でした。
また、AIも「日本ぽい」などの感覚的なものへの理解も十分ではないため、トーンやマナーを重要視するメディアを100%AIで完成、はまだ難しい。
最後はやっぱり、人が整える必要がある、と感じるとともに、
もっと「入力」がうまくなれば、コミュニケーションの目的を支える重要なパーツとしてもっと活用できるのではないかと感じました。
まだまだ試行錯誤の途中ですが、この奮闘も含めて、次の成長につなげていきます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。